移住者インタビュー

サイクレスタ
宮﨑 優花 さん

スポーツバイク専門店を起業
自転車で駆け抜けるよろこびを
お客様や家族と共有する

2021.3.8

出身は長野県、大学入学を機に移り住んだのは山形市。そんな宮﨑優花さんが、大学卒業後の仕事と暮らしの拠点として選び移り住んだまちは、天童市でした。
「縁もゆかりもなかった」というこのまちを、どんな理由によって選んだのでしょうか。また、そんな天童のまちでゼロからはじめたスポーツバイク専門店という商売を、着実に続けることができているのはなぜなのでしょうか。そして、新しい家族が増えたばかりの今、ここ天童での暮らしや仕事や毎日を、どんなふうに感じているのでしょうか。
天童のまちで颯爽と自転車ライフを楽しみ、商売を楽しみ、家族との時間を楽しんでいる宮﨑優花さんへのインタビュー、はじまります。

ブルーの屋根が目印。宮﨑さんのお店「サイクレスタ」前にて。

長野から山形へ
アルペンスキーから自転車の楽しさへ

私は長野県信濃町の出身です。小さいころからアルペンスキー競技をやってきて、大学入学を機に山形市に暮らすようになってからは、猿倉スキー場をホームにしてアルペン競技を続けていました。自転車との出会いは、そのオフシーズンである夏のあいだのトレーニングとしてはじめたのがきっかけでした。それですっかりハマっちゃったんです。
ちょうどその頃、山形市内にあるスポーツバイク店でアルバイト募集があったのですぐ応募して、そこで働くようになりました。アルバイトしながら組み立てなどの技術的なことだったりとか、販売の仕方だったりとか、経営以外のプロセスをひととおりすべて教えてもらいました。
大学を卒業する時期を迎えて、さてこれからどうしようかって考えたときに、そのころ一緒にその店で働いていた現在の夫と、じゃあ、ふたりで起業しようか!っていう話になって、それで自分たちの店を立ち上げることにしたんです。

創業支援や物件との出会いなど
いい条件が重なった

とは言っても、最初から「どうしても自分たちの店をやりたいんだ!」っていう強い意志があったわけではありません。というよりもむしろ、ちょうどその節目のタイミングに、たまたまいろんな条件が重なった、という感じでした。
たとえば、山形市内ならスポーツバイク専門店というのはそれなりの数の店があるし、東根にもあるけれど、天童には1軒もない、という事実を知りました。人口もほどほどにあるまちだし、国道13号があってひとの流れもちゃんとあるまちなのに専門店がない。それで、夫と「商売やるなら天童だね」って話になりました。
そもそも天童にゆかりもなにも全然なかったですけど、私たちは駆け出しですから、商売するならライバル不在の場所でスタートしたかったし、お客さんを取り合ったりしなくてすむような場所がいいだろうとも考えました。
そのうち、創業のための支援制度というのがあるということを教えてもらいまして、利用させてもらえることになりました。それで、お店をひらくときにかかる費用負担を軽くすることができたり、すごく良い空き物件がちょうどよく見つかったり…。
そういったいろんな条件が良いタイミングで揃ったことで、天童市内に店をオープンしたのが2014年のことです。もう、まる7年経ちますね。

天童は、住みやすいまち、
子育て支援の厚いまち

この店は大通りからすこしだけ外れたロケーションにあります。広い駐車場があるのが、この場所に決めた理由のひとつでした。自転車をやっているお客さんのなかには遠方から来る方もいらっしゃいますし、自転車を車に積んで来る方もいらっしゃるので、広い駐車場があるっていうのはお店をやる上でとても重要な条件だったんです。それでいて家賃が安いというのも、天童のいいところでしょうね。私たちにとってはとてもありがたいことでした。
私たちはここから車で5分もかからないところに家族で暮らしていますが、家と仕事場が近いというのも、すごく楽でほんとうに便利です。それに天童は山形県内の中では降雪量も少ないほうなので、それも住みやすさの理由のひとつだと思いますね。もしこれ以上北の地域になると、雪深くなってしまうので、とくに冬の間は自転車の楽しみが少なくなってしまうと思います。
天童での暮らしは、必要なものはなんでも買い物できて揃うので、まったく不自由はありません。子育て支援に厚いまちなのも、すごくいいと思います。私たちの子どもはまだ3ヶ月になったばかりですけど、天童市は18歳までの子どもの医療費を無料化しているので、ちょっと心配だったら迷わずすぐに病院に連れて行けるので安心です。

ともに働く旦那さんと、誕生から3ヶ月というお子さんと。

自転車の楽しみを
より多くの人に、よりフレンドリーに

私たちは、そもそも自転車好き同士ではじめているので、売っておしまいみたいな商売ではなく、自転車を楽しむお客さんに対していろんなサポートやメンテナンスを提供できるような、ユーザーフレンドリーな店でありたいと思っています。自転車をライダーそれぞれの柔軟性や筋肉量やレベルに合わせる「フィッティング」というちょっと他所にはない珍しいサービスをやっているのも、そうした想いがあるからです。
それに、お客さんが楽しく乗ってくれさえすれば、もっといいやつに乗りたいとか、買い替えたいとか、そんなふうになっていくと思うので、自然に商売につながっていくのではないでしょうか。だから、お客さんにはとにかく自転車を楽しんでもらって、ステップアップしていってもらいたんですね。
2020年はコロナの年でしたけど、それによって自転車が注目された年でもありました。自転車は感染リスクも少ないし、カラダを鍛えることで免疫力をアップすることにもなりますから、そういうスポーツとしてますます多くの人に気軽に楽しんでもらえたらいいですね。その意味では、E-バイクという電動自転車のスポーツバイク版はすごくおすすめです。これなら年配の方や女性の方など、体に負担をかけにくい人でもロードバイクを楽しめます。天童には高原もあるし、平坦なところもあるし、自転車を楽しむ場所としても最高です。

宮﨑さんがお勧めするE―バイク。ロードバイクの楽しさをもっと気軽で易しいものにしてくれそう。

私個人としては、子どもが生まれたこともあってしばらく競技から離れていますけど、もうすこし手がかからなくなったらまた競技に復帰したいと思っています。2017年から3年間は国体にも出場しましたけど、復帰するならまたトレーニングをイチからやりなおして、競技レベルで走れるところまで持っていきたいですね。

店内に飾ってある宮﨑さんの写真。自然の風景の中を駆け抜けていくスピード感が伝わってくる。

〈店舗情報〉
Cyclesta(サイクレスタ)
994-0012 山形県天童市久野本3-12-17
TEL/FAX 023-665-5567
営業時間 13時00分~20時00分
水曜日定休

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